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アートメイクの施術の流れを、未経験の看護師向けにやさしく解説

はじめての基礎知識公開日

アートメイクの仕事に興味を持って求人やスクールの情報を見ていても、「施術の当日は、実際にどんな順番で進むのだろう」と気になる方は多いのではないでしょうか。写真や短い説明だけでは、カウンセリングから施術、そのあとのケアまでの全体の流れがつかみにくいものです。

施術の流れを先に知っておくと、スクールの説明会で聞く内容も理解しやすくなります。どの工程に時間がかかるのか、どの場面で看護師としての経験が活きるのかが見えてくると、仕事のイメージもぐっと具体的になります。

この記事では、アートメイクの施術当日の流れを、来院からアフターケアまで順番に沿って解説します。それぞれの工程で看護師がどんな役割を担うのかも、あわせて見ていきましょう。

来院からカウンセリングまでの流れ

アートメイクは、医療機関で、医師または医師の指示のもとで看護師などが行う医行為(医師免許や看護師免許など、医療に関する資格を持つ人が行うことが法律で決められている行為)です。施術の当日は、受付のあと、まずカウンセリングの時間が設けられます。

問診票の確認と本人確認

来院後は、事前に記入してもらった問診票を確認します。アレルギーの有無、服薬中の薬、過去の手術歴などを聞き取り、施術を受けられる状態かどうかを医師が判断します。看護師は、問診票の内容をもとに気になる点を整理し、医師への報告や本人への追加の質問を行う役割を担うことが多くあります。記入もれや、言葉だけではわかりにくい持病の有無を、会話のなかで確認していく工程でもあります。

施術内容と当日の流れの説明

問診のあとは、当日どのような順番で進むのか、施術にかかる時間はどのくらいかを、あらためて本人に説明します。初めて施術を受ける方は緊張していることが多いため、落ち着いて質問できる雰囲気をつくることも大切な仕事です。病棟での説明・同意の取得の経験は、この場面でそのまま活かせます。

カウンセリングで確認する内容

カウンセリングは、単に希望を聞くだけの時間ではありません。仕上がりの満足度を左右する、施術のなかでもとても重要な工程です。

希望のイメージと普段のメイクの聞き取り

眉やリップなど、どの部位にどんな印象を希望しているのかを聞き取ります。普段のメイクの仕方や、眉を描くときに気をつけていることなども確認しながら、どのくらいの太さや色味が合いそうかを一緒に考えていきます。希望と、顔立ちや肌の色との組み合わせを両方見ながら話を進めるのが特徴です。写真を見せてもらいながら「どんな印象に近づけたいか」を具体的に言葉にしていく時間でもあり、聞き方ひとつで本人の話しやすさが変わってきます。

リスクに関わる確認

持病、アレルギー、現在服用している薬、過去にアートメイクや医療行為でトラブルがなかったかを確認します。施術ができるかどうかの判断は医師が行いますが、看護師が問診で得た情報を整理して伝える役割は欠かせません。妊娠中や特定の疾患がある場合など、施術を控えたほうがよい状態もあるため、この工程を丁寧に行うことが安心して施術を進めるための土台になります。

デザインを決める工程

希望とリスクの確認が終わったら、実際にどんな形や色で仕上げるかを決めるデザインの工程に入ります。

顔のバランスを見ながら形を描く

眉であれば、目の位置や骨格を目安にしながら、ペンシルで仮の形を描いていきます。左右対称にすることだけが目的ではなく、顔全体のバランスを見ながら、その人に合う自然な形を探っていく作業です。デザインの考え方には一定の基準がありますが、同じ基準でも顔立ちによって似合う形は変わってきます。

本人と一緒に鏡で確認する時間

描いた仮の形を、本人に鏡で確認してもらいます。角度を変えて見てもらったり、メイクをした状態・していない状態の両方を確認してもらったりしながら、気になる部分があればその場で少しずつ調整していきます。この時間を十分に取れるかどうかは、クリニックや施術者によって違いがあるため、スクールの説明会では「デザインの確認にどのくらい時間をかけているか」を聞いてみるとイメージがつかみやすくなります。関連する考え方はスクール比較表でも整理しているので、気になる方はあわせて見てみてください。

施術前の準備

デザインが決まったら、施術に向けた準備に入ります。ここからは医療的な手順が中心になり、看護師としての経験が特に活きる場面です。

衛生的な環境を整える

施術台や使用する器具を整え、使い捨ての器材を開封するタイミングや、手指衛生のタイミングを守りながら準備します。病棟での清潔操作と考え方の根っこは同じですが、使う器具や消毒の対象が違うため、スクールで施術特有の手順をあらためて学ぶ必要があります。

表面麻酔の使い方

施術する部位には、表面麻酔(皮膚の表面に塗って、感覚を鈍くするための麻酔)を使うことが一般的です。麻酔をどのタイミングで塗り、どのくらいの時間置いてから施術を始めるかは、使う麻酔薬や部位によって異なります。感じ方には個人差があるため、本人の様子を見ながら声をかけ、必要に応じて医師に相談できるようにしておくことも看護師の役割です。

施術そのものの流れ

準備が整ったら、実際に色素を皮膚に入れていく工程に進みます。

専用の機器で色素を入れる

専用の針やマシンを使い、皮膚のごく浅い部分に色素を入れていきます。デザインで決めた線に沿って、少しずつ色を重ねていくのが基本の進め方です。毛並みのように細い線を描く技法と、面を均一に埋めていくパウダーのような技法があり、部位や希望する仕上がりによって使い分けます。技法の違いについては、人工皮膚の練習とは?アートメイク未経験から上達するまでの流れでも触れているので、練習のイメージと合わせて確認してみてください。

施術時間と途中の休憩

施術にかかる時間は部位や範囲によって異なりますが、1時間前後かかることが多く、途中で休憩をとりながら進めます。長時間同じ姿勢を保つことになるため、本人の体勢や表情の変化に気を配り、無理なく最後まで進められるよう調整することも大切な仕事です。施術中に色の入り方を一度確認してもらう時間を設けるクリニックもあり、その場合は鏡を使って様子を伝えながら進めていきます。

施術後の説明とアフターケア

色素を入れたあとは、当日の仕上がりがそのまま定着するわけではありません。アフターケアの説明も、施術と同じくらい重要な工程です。

直後の状態とケアの方法

施術した部分は、直後は赤みや軽い腫れが出ることがあります。当日から数日の洗顔やメイクの方法、保護テープやクリームの使い方など、ケアの方法を具体的に説明します。言葉の意味がわからないときのために、アートメイク用語集へのリンクを案内しているクリニックもあります。

ダウンタイム中に気をつけること

施術後、皮膚が落ち着くまでの期間を「ダウンタイム」と呼びます。期間中は、日焼けや入浴時の過度な摩擦を避けるなど、気をつけたい点がいくつかあります。色の見え方が数日のうちに変化していくことも事前に伝えておくと、本人が不安になりにくくなります。かさぶたのような皮膚の変化が出る場合もあるため、無理にこすったり剥がしたりしないことなど、具体的な行動に落とし込んで説明できるかどうかが、看護師としての伝え方の工夫が求められるところです。

リタッチの位置づけ

アートメイクは、1回の施術で仕上がりが完成するとは限りません。多くの場合、2回目の施術である「リタッチ」を経て仕上げていきます。

なぜ1回で終わらないことが多いのか

初回の施術では、色素の定着具合を確認しながら、やや濃めに色を入れることがあります。時間が経つと色が少し落ち着くため、その状態を見てから2回目で微調整を行う、という進め方が一般的です。1回目と2回目をあわせて、ようやく仕上がりが安定していくという考え方を知っておくと、施術全体の流れがイメージしやすくなります。

リタッチまでの期間と確認のポイント

初回からリタッチまでの期間は、クリニックによって目安が異なります。期間中にどのくらい色が変化するのか、追加の料金がかかるのかどうかも、事前に確認しておきたいポイントです。看護師としては、1回目の施術の記録や写真をきちんと残しておくことが、2回目の施術をスムーズに進めるための助けになります。使用した色素の種類や施術時の様子をメモしておくと、担当者が変わった場合でも引き継ぎやすくなります。

看護師の経験が活きる場面

ここまでの流れを振り返ると、施術そのもの以外にも、看護師としての経験が活きる場面が多くあることに気づくのではないでしょうか。

問診とリスク管理の経験

既往歴や服薬歴を聞き取り、気になる点を整理して医師に伝える、という流れは、病棟での業務と共通する部分が多くあります。問診でどこまで聞き取っておけば医師の判断につながるかを考える力は、これまでの臨床経験のなかで積み重ねてきたものといえます。

患者対応と声かけの経験

緊張している本人に声をかけ、落ち着いて施術を受けてもらえるように配慮する経験も、これまでの看護師としての時間がそのまま活きる部分です。施術中に体調の変化がないかを確認しながら、必要に応じて休憩を提案するといった判断も、臨床での観察の積み重ねが土台になります。アートメイクのスクールでは、こうした経験を前提にしたうえで、施術特有の技術を一から教えてくれるところが多くなっています。

説明会で流れについて確認したいこと

施術の流れを知ったうえで説明会に参加すると、質問の内容もより具体的になります。最後に、確認しておきたいポイントを整理します。

練習や実習でこの流れをどう体験できるか

人工皮膚での練習や、モニター実習(指導のもとで実際に人に施術する実習)のなかで、カウンセリングからアフターケアまでの一連の流れをどのくらい体験できるのかは、スクールによって違いがあります。見学だけで終わるのか、実際に説明の一部を担当させてもらえるのかを聞いてみると、卒業後のイメージがつかみやすくなります。

自分に合うかどうかを確かめる方法

ここまで読んで、「自分に向いているかどうか、まだよくわからない」と感じる方もいるかもしれません。そのときは、30秒診断を使って、重視したいポイントを整理してみるのもひとつの方法です。説明会では、カウンセリングにかける時間やデザインの確認方法など、流れのなかで気になった工程について、具体的に質問してみましょう。

※この記事は、アートメイクを学びたい看護師に向けた一般的な情報です。スクールの料金や内容、求人の条件は変わることがあるため、申し込みや契約の前に各スクール・医療機関の最新情報を確かめてください。アートメイクは医療資格が必要な施術で、医療機関で行います。